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吐き気・嘔吐の原因・治療

吐き気・嘔吐とは

嘔吐とは、胃が強く収縮し、胃の内容物が食道に押し上げられて口からでてしまうことです。吐き気とは、嘔吐しそうな不快感のことを言います。一般的に吐き気に続いて嘔吐が起こることが多いです。嘔吐や吐き気は何らかの原因によって脳の嘔吐中枢が刺激されることで引き起こされます。


吐き気・嘔吐の原因

症状 疑いのある疾患
・発熱がある
嘔吐がある
腹痛がある
下痢を起こしている
急性胃腸炎は細菌感染とウイルス感染があります。細菌性の胃腸炎の主な症状は、発熱や腹痛、嘔吐、下痢でウイルス性胃腸炎の女症状は水下痢です。 ・急性胃腸炎
・発熱がある
吐き気がある
嘔吐がある
・みぞおちや右脇辺りに痛みがある
急性胆のう炎は、食事を摂って1~2時間後に症状があらわれます。しばらくすると症状は落ち着きます。進行すると、激しい痛みを起こします。 ・急性胆嚢炎
吐き気がある
嘔吐がある
腹痛がある
・お腹が張るような感じがある
便秘がある
腸閉塞を起こすと、腸内のガスが外に出なくなり、便を排出しにくくなります。痛みを伴いますが人によって程度は様々です。 ・腸閉塞(イレウス)
胸焼けがある
吐き気がある
嘔吐がある
・みぞおち付近が痛い
胃もたれがある
・吐血がある
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、過剰に鎮痛剤を服用したりピロリ菌に感染感染することが原因で発症するといわれています。40歳以降は、胃潰瘍の発症リスクが高く、10代〜20代は、十二指腸潰瘍の発症リスクが高いです。 ・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・頭痛がある
吐き気がある
嘔吐がある
・ろれつが回らないときがある
・しびれがある
・麻痺を起こしている
・意識障害を起こしている
脳出血やくも膜下出血、脳梗塞は、突然、症状を起こし自覚します。命に関わることがあります。早急に適切な処置を行うことが大切です。後遺症が残る場合もあります。 ・脳出血
・くも膜下出血
・脳梗塞
・頭痛がある
吐き気がある
嘔吐がある
・音や光に敏感に反応する
片頭痛は、視界にきらきらした光の波があらわれる閃輝暗点や吐き気を起こします。女性に多いといわれています。頭痛前に起こりやすく、頭の左右どちらかに脈打つような頭痛を起こします。 ・片頭痛
・口が渇きやすい
・脱水を起こしている
吐き気がある
嘔吐がある
腹痛がある
・意識がもうろうとするときがある
糖尿病ケトアシドーシスとは、糖尿病の影響により、血液が酸性になることが関係して発症します。 ・糖尿病ケトアシドーシス

急性胃炎

急性胃炎とは、胃の粘膜に急性の炎症が起こる病気です。暴飲暴食や刺激物の摂取、過剰なアルコールの摂取、薬の副作用によって起こることや胃粘膜の機能低下や食中毒、腎不全や肝硬変などの病気によって引き起こされることがあります。主な症状は、胸焼けやみぞおち周辺の痛み、お腹が張るような感じ、吐き気、嘔吐などがあります。急性胃炎は放置すると胃潰瘍を発症することがあります。

胃・十二指腸潰瘍

胃潰瘍とは、胃の粘膜がただれ、胃壁が傷ついた状態のことで、十二指腸潰瘍は十二指腸の粘膜がただれ、十二指腸壁が傷ついた状態のことです。非ステロイド性鎮痛剤やピロリ菌感染、ストレスによって引き起こされることがあります。主な症状は、吐き気やみぞおち周辺の痛み、胃もたれ、黒色便です。胃潰瘍は食後に痛みを生じる一方、十二指腸潰瘍は空腹時や早朝に痛みを生じ、食事をとると一時的に痛みが緩和します。

胃がん

胃がんは進行すると、吐き気や腹痛を起こします。胃がんの発症の主な原因はピロリ菌感染であると言われています。早期の胃がんは自覚症状がほとんどないため、定期的に胃カメラ検査を受けることが重要です。胃がんは適切な治療により治る可能性があります。

胃がん

虫垂炎

虫垂炎とは、一般的に「盲腸」として呼ばれている病気で、虫垂が炎症を起こす病気です。原因は暴飲暴食やストレスだと考えられており、10~30代に発症が多いです。主な症状は、発熱や吐き気、嘔吐、腹痛です。突然に、おへそやみぞおち周辺に痛みを生じる特徴があります。時間経過とともに痛い箇所はお腹の右下あたりに移動します。症状が悪化すると腹膜炎を引き起こすことがあります。

腸閉塞

腸閉塞(イレウス)とは、腸機能の低下や腫瘍、腸のねじれなどによって腸が詰まり、腸の中にある食べ物や便、消化液などがうまく肛門の方へ運ばれなくなってしまう病気です。腸閉塞が続くと、ガスや便が溜まり、お腹が張ります。吐き気や腹痛が起こることもあります。

腹膜炎

腹膜炎とは、腹膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態で、多くの場合は胃や腸に穴が開き、そこから細菌が感染することよって引き起こされます。主な症状は、発熱や吐き気、腹痛、呼吸障害です。腹膜炎は放置すると命に関わるため、注意が必要です。

メニエール病

メニエール病とは、めまいと吐き気の発作が繰り返し起こる病気です。はっきりとした原因はわかっておらず、内耳の内リンパ液の量が増え、内耳を圧迫することが原因だと考えられています。主な症状は、耳鳴りや片耳の難聴、めまい、吐き気です。症状が悪化すると、耳鳴りや難聴の程度が進行することがあります。

脳出血・くも膜下出血・脳腫瘍

脳出血とは、脳の細い動脈が破れることで脳の中に出血が起こっている状態です。出血が脳の神経細胞を圧迫することで、強い頭痛や吐き気、手足の麻痺を引き起こします。くも膜下出血とは、脳のくも膜内の動脈にこぶができ、そのこぶが破裂した状態です。主な症状は、強い頭痛や吐き気、嘔吐です。症状がひどい場合は意識消失が起こります。脳腫瘍とは、脳に腫瘍が生じる状態です。主な症状は、頭痛や吐き気、嘔吐です。脳腫瘍ができる箇所によっては、言語障害や視覚障害が引き起こされます。

薬の副作用

薬の副作用によって、吐き気や嘔吐が起こることがあります。吐き気や嘔吐を引き起こす薬は主に、ジキタリス製剤や抗がん剤、オピオイド薬、テオフィリン薬、造血薬などがあります。医師の指示に従い薬の量をコントロールしたり、薬の種類を変更することを検討します。

食中毒

ノロウイルスやO157の感染、海外の生水の摂取やフグの食あたりなどの食中毒によって、吐き気や嘔吐を生じることがあります。食中毒の場合、吐き気や嘔吐にくわえて激しい胃痛が生じます。食事をとる際は、衛生面や食品の調理方法をしっかり確認しましょう。

ストレス(精神的嘔吐)

強い精神的ストレスは、自律神経機能を低下させ、脳を刺激することで、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。


吐き気・嘔吐の治療

吐き気や嘔吐の治療では、問診で既往歴、症状、服用薬を確認し、必要な場合には血液検査や腹部エコー検査、胃カメラ検査を行います。吐き気や嘔吐の原因が消化器疾患である場合は、病気にあわせた治療を行います。手術が必要な病気を発症している場合は、高度医療機関を紹介しています。

胃カメラ検査