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お尻から出血(痛くない)

お尻から痛みはないが出血があったら…

お尻から痛みを伴わない出血がある場合は、まず内痔核を疑います。内痔核じゃない場合も、痛みを伴わない肛門からの出血を引き起こす病気はいくつかあるため、注意が必要です。

いぼ痔とは

いぼ痔(痔核)は肛門にいぼ状のはれができる病気です。直腸と肛門の境目より内側にできるいぼ痔を内痔核(ないじかく)、外側にできるいぼ痔を外痔核(がいじかく)とよびます。内痔核は、排便時の負荷などにより、肛門周りの血流が悪くなり、直腸と肛門の境目より直腸側にある粘膜の下の静脈叢がうっ血することで発症します。内痔核ができる周辺の組織には痛みを感じる神経が通っていないため、内痔核によって痛みを感じることは少なく、症状は出血や便が残っている感じ、肛門から痔核が飛び出るなどです。症状が進むと、排便時にいぼが肛門の外側に出てきたり、炎症を起こし痛みを感じるようになることがあります。治療は基本的に保存療法を行い、それでも出血がひどかったり、脱出によって日常生活に支障をきたす場合は外科処置や手術を行います。

いぼ痔


痛みがなければ肛門から出血しても心配ない?

内痔核は、肛門から血が出るだけで、他の症状がないことも多いため、放置されやすいです。しかし、内痔核は放置すると、症状が悪化し、手術が必要になることはあります。また、内痔核ではなくほかの病気によって出血が起きている可能性もありますので、肛門から出血がある場合は受診しましょう。

注意の必要な肛門からの出血

大腸憩室出血

大腸憩室出血とは、大腸憩室の粘膜にある動脈が突然大量出血を起こす病気です。大腸憩室の壁は薄いため、血管が切れることで出血が引き起こされます。憩室出血の特徴は、痛みがなく、肛門から大量の血液が便に混じって流れ出ることです。自然に止まることもありますが、厳重な診察が必要で出血が続く場合は緊急の治療が必要です。

大腸がん

大腸がんは痛みを伴うことはほとんどありません。がんが進行して大きくなった腫瘍が便の流れを妨げたり、出血したりして気づくことが多いです。肛門から出血がある場合は大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

大腸がん

大腸ポリープ

大腸ポリープは痛みを伴うことはほとんどありません。ポリープの生じた位置や大きさによって血便や下痢を引き起こすことがあります。大腸ポリープは大腸がんに進行することがあります。


お尻から出血して痛みがない場合の対応

痛みを伴わない出血は内痔核のことが多いですが、まずは肛門科を受診しましょう。内痔核の場合は、治療薬の他に、食生活の改善や肛門を温める、辛い物やアルコール、タバコを控えるなどして改善します。