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左下腹部痛が見られたら過敏性腸症候群かも!?

過敏性腸症候群の症状セルフチェック

  • お腹の調子が長期間にわたり悪い
  • 下痢便秘などの便通異常が続いている
  • 便の形が悪いのが続いている
  • 腹痛があるが、排便をすると一時的に痛くなくなる
  • 1日の排便回数が不規則
  • 残便感がある
  • 便秘が続く、またはコロコロとした便が出る
  • 便に血が混じる
  • 体重が減少する
  • 就寝中に腹痛で目が覚める

1~7の症状がある方は、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)の可能性があります。また、あわせて8~10の症状がある方は、より重篤な病気を引き起こしている可能性があります。


腹痛(左下腹部の痛み)なら過敏性腸症候群かもしれません

突然の刺すような腹痛、または持続的な鈍い腹痛で、腹部の不快感や下痢や便秘などの便通異常を伴っている場合は過敏性腸症候群の可能性があります。過敏性腸症候群は排便後に一時的に症状がおさまる特徴があります。また腹痛は左下腹部に起こることが多いですが、必ずしも同じ場所に起こるとも限りません。一般的に食事によって症状が誘発され、睡眠時は症状が起こらないという特徴があります。


過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは、IBS(Irritable Bowel Syndrome)とも呼ばれる病気で、腸に炎症やポリープなどの病変がないのにもかかわらず、慢性的に腹痛を伴う下痢や便秘の症状があり、通常は排便すると一時的に症状が軽くなります。原因はストレスであると考えられており、大きなストレスによって自律神経が異常を起こし、腸が便を送り出す収縮運動(蠕動運動)が正常に機能しなくなることで症状が起こると考えられています。


過敏性腸症候群の原因はストレス?

過敏性腸症候群の原因は精神的および身体的ストレスであると考えられています。これらのストレスは自律神経の内分泌を必要以上に促進し、腸の蠕動運動に異常を起こし、下痢や便秘を引き起こします。他には、脳が内臓のわずかな刺激を痛みとして感じてしまう内臓知覚過敏や、食物アレルギー、腸管炎症などが原因となっている説があります。


過敏性腸症候群の治し方

過敏性腸症候群の治療方法には、「生活習慣の改善」「薬物療法」などがあります。

生活習慣の改善

生活習慣の改善では、普段の生活の中に、睡眠不足や過度な疲労、ストレスなどの過敏性腸症候群を悪化させる習慣があれば、それらの改善をアドバイスします。また過度の飲酒や高身長などの刺激物の摂取は症状を悪化させることがありますので、摂取を控えるようにアドバイスしています。

薬物療法

薬物療法では、患者様の症状に応じて、腸の機能を調整する薬や、便の硬さを調整する薬、腸内フローラ(腸内細菌叢)を整える薬などを処方します。

過敏性腸症候群のお薬

過敏性腸症候群の薬は、「イリボー」や「コロネル」をはじめとして複数の種類があります。患者様に最も合った薬を処方するために、一度特定の薬を2週間分程度処方し、効果を確認して、最終的な処方薬を決定します。患者様の生活にあわせた適切な薬(効果や服用回数など)を処方します。


過敏性腸症候群は病院に行くべき?

過敏性腸症候群が疑われる症状がある場合は、消化器内科を受診しましょう。消化器内科では、過敏性腸症候群の判定や、がんなどのほかの病気がないかを判断するための検査を行います。通常は、血液検査や尿検査、便検査を行います。これらの検査によって、炎症や貧血などの可能性があると判断される場合には、大腸カメラ検査や大腸造影剤検査を行います。また、症状によっては腹部CT検査や超音波検査を行うこともあります。これらの検査で異常がなく、過敏性腸症候群の症状が認められる場合には、過敏性腸症候群と診断し治療を行います。

大腸カメラ検査


下痢と便秘を繰り返すならご相談ください

下痢や便秘などの便通異常で受診する患者様の2~3割が過敏性腸症候群と診断されます。仕事や学校のある日に症状が悪くなりやすく、お盆休みや正月休みなどの長期の休みには症状があまり悪くならない方は過敏性腸症候群の可能性が高いかもしれません。ただし、下痢や便秘が繰り返される病気は、過敏性腸症候群だけではなく、潰瘍性の腸炎、大腸ポリープ大腸がんクローン病、膵炎、肝臓がんなどがあります。また、下痢は感染症によっても引き起こされるため、一度受診して適切な治療を受ける必要があります。