胃がんとは
胃がんとは、胃の壁の内側を覆う粘膜の細胞が、何らかの原因でがん化し無秩序に増殖していくことで発症する病気です。胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどない場合があります。そのため、早期発見が重要になり、早期発見・早期治療を施すことで寛解が期待できます。胃がんの細胞は増殖が遅い場合も多いですが、がんが進行して粘膜外へ広がると、周囲の臓器に転移します。なお、胃がんは分化型と未分化型の腺がんの2種類に分けられ、分化型は比較的進行が遅いのに対して、未分化型は進行が早いのが特徴です。
スキルス胃がんとは?
スキルス胃がんとは、通常の胃がんと異なり、胃の粘膜に腫瘤や潰瘍を作らずに、胃の壁や組織に染み込んでいくように進行するがんです。進行すると胃の壁が硬く厚くなります。見た目では病変がわかりにくいため、胃カメラ検査などの肉眼で発見する検査では発見が困難で、また、がんの進行スピードも早いため、発見したときにはすでに他の部位へ転移してしまっている状態であることも多いです。またスキルス胃がんの患者数は女性の方が圧倒的に多いのが特徴です。
胃がんになりやすい体質は?
胃がんの発症については、遺伝や体質による影響は比較的少ないとされていますが、過去にピロリ菌に感染したことがある方や、家族性大腸腺腫瘍を患っている方などは注意が必要です。また、過度の喫煙や飲酒、偏った食事などの生活習慣は胃がん発症リスクを増加させるため、注意が必要です。定期的に胃カメラ検査などを受け、予防や早期発見に努めることが重要です。
胃がんの初期症状は?げっぷやおなら?
胃がんの初期症状を自覚することは、ほとんどありませんが、胃やみぞおちの痛み、胸焼け、胃もたれ、吐き気、食欲不振、黒色便などが症状として現れることがあります。また、胃がんは、進行してからも症状があらわれないこともあります。
げっぷやおならは消化器内科へ
げっぷやおならが、胃がんによって引き起こされることは基本的にはありません。ただし、げっぷやおならが他の病気によって引き起こされることはあります。げっぷが多い場合は、食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎、機能性ディスペプシアが考えられます。おならが多い場合は、過敏性腸症候群や呑気症が考えられます。どちらも生理現象であるため、過度に心配する必要はありませんが、気になる場合は消化器内科を受診してください。
胃カメラで胃がん見つかる?
胃がんは、粘膜表面から発生するため、胃カメラ検査により発見できます。特に早期がんは健康診断で受けた胃カメラ検査で発見されることが多いです。胃がんは早期では無症状だったり、進行しても軽い胃炎程度の症状しかないことが多いので、早期に発見するために、定期的に胃カメラ検査を受けることがお勧めです。なお、がんが粘膜表面にとどまっている早期胃がんは、手術ではなく、胃カメラによる内視鏡治療で根本治療が可能です。
胃がんの治療
胃がんの治療には、進行度合いと転移の可能性などを考慮して、薬物療法と手術が検討されます。早期がんの場合は、通常は胃カメラを用いた内視鏡による切除と手術が検討され、他の部位への転移がある場合には、抗がん剤などの薬物療法とともに対症療法を行われます。当院では、胃カメラ検査による適切な検査・診断を行い、必要に応じて高度医療機関へ紹介させていただきます。