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大腸ポリープ切除
(大腸腺腫は大腸がんになる可能性ある?)

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる腫瘍のことです。大腸ポリープの中には、放置しているとがん化して、大腸がんを発症するものがあります。また、大腸がんのほとんどは、この大腸ポリープを経て発生していると言われています。したがって大腸がんを予防するためには、定期的に大腸カメラ検査を受け、発見した大腸ポリープを治療することが重要です。当院では、その場で治療可能と判断したポリープについては、その場で切除する、日帰り手術を行っています。


大腸腺腫(がんになる可能性)

大腸ポリープのうち、良性のものを大腸腺腫、悪性のものを大腸がんと言います。以前は大腸腺腫のすべてはやがてがん化すると考えられていました。しかし、現在は、がん化するのは一部の腺腫であることがわかってきました。腺腫のがん化の可能性を考えるうえで、重要となるのは腺腫の大きさで、腺腫の大きさが5mmを超えると一部がん化したものが現れます。また大きさが10mmを超えた腺腫はがん化している可能性が高くなります。また腺腫の大きさは、徐々に大きくなっていくというよりは、段階的に成長と停滞を繰り返して大きくなっていくことが特徴です。


大腸ポリープの日帰り切除術

大腸カメラ検査中に発見された大腸ポリープは、その場で切除する、日帰り手術を行っています。日帰り手術は入院する必要がないので、当日中に帰宅できます。切除にかかる時間は、ポリープの状態によっても異なりますが、ほとんどの場合は5分程度で、痛みや不快感も伴いません。切除後は、食事や運動、飲酒、入浴に数日から1週間程度の制限があります。なお治療の判断、処置については適切に行いますが、偶発症として、出血や穿孔(腸に穴が開く)が起こる可能性があり、場合によっては数日間の入院や外科手術(開腹手術)が必要になることもあります。その際は、適切な医療機関へ紹介します。また、当院で治療困難と判断した症例については、連携する高次医療機関へご紹介します。


切除方法

当院では、ポリープの形状、大きさなどによって、適した手法でポリープの切除を行っています。

ポリペクトミー(HSP:hotsnarepolypectomy)

ポリペクトミーとは、ポリープ切除の最も一般的な手法で、スネアというワイヤーを内視鏡スコープの先から出してポリープにかけ、スネアに高周波の電流を流すことでポリープを焼き切る手法です。切除の際に高周波の電流を流すことで、切除部分の止血効果が期待できる一方、下部組織に熱が伝わってしまうと、出血や穿孔のリスクがあります。当院では、下部組織に熱が伝わらないようなポリープにのみポリペクトミーを行っています。

コールドポリペクトミー(CFP/CSP;coldforceps/snarepolypetomy)

コールドポリペクトミーとは、ポリペクトミーと同じようにスネアと呼ばれるワイヤーを内視鏡スコープの先から出してポリープにかけるのですが、ポリープを、電流を流して焼き切るのではなく、ワイヤーを締め付けることで切除する手法です。併せて専用の鉗子を使用することもあります。電流を流さないため、熱による下部組織への影響はなく、術後の出血や穿孔リスクは低くなります。現在最も術後合併症が少ないポリープ切除法とされています。なお、切除の際に出血することはありますが、多くの場合すぐに止血可能で、術後出血はほとんどありません。

内視鏡的粘膜切除術(EMR;endoscopicmucosalresection)

内視鏡的粘膜切除術とは、ポリープの下に生理食塩水や薬液を注入し、ポリープを膨らませてから、スネアというワイヤーを内視鏡スコープの先から出してポリープにかけ、スネアに高周波の電流を流すことでポリープを焼き切る手法です。ポリープの形状が平坦で、膨らませなければスネアがかけられない場合に用いられます。ポリープの下に、液体で膨張させたスペースがあるため、切除の際の電流により下部組織に熱が伝わるのを最小限にすることができるため、術後の出血や穿孔リスクを抑えられます。クリップなどによる止血処置を行うこともあります。


大腸ポリープ切除後の食事メニュー

大腸ポリープ切除後約1週間は、腸への負担を避けるために、消化に良いものを摂るようにしてください。コーヒーやアルコール、唐辛子などの刺激物、脂っこいもの、なまものは避けるようにしましょう。特にアルコールは血管を拡張させる作用があるため、大腸ポリープ切除後の傷口からの出血のリスクを増加させます。お菓子を食べる際は、脂分の多いものや辛い物を除き、切除後2日後くらいから摂取可能です。また食べ過ぎには注意しましょう。


大腸ポリープ切除後の注意事項

運動

大腸ポリープ切除後1~10日間は、汗をかくような強度の運動は控えてください。運動は血圧をあげたり、腹圧を加えるため、ポリープ切除後の傷口からの出血を助長する可能性があります。できるだけ安静にしましょう。日数はポリープの大きさや切除方法によって異なります。

出張、旅行

大腸ポリープ切除後1~10日間は、出張や旅行は控えてください。万が一、旅行先でポリープ切除後の傷口からの出血が起きた場合に、適切な処置を行うことが困難になります。日数はポリープの大きさや切除方法によって異なります。

入浴

大腸ポリープ切除後は、入浴やサウナは控え、入浴の代わりにシャワーを浴びる程度にすることをお勧めしています。入浴やサウナは血圧をあげたり、血行をよくするため、ポリープ切除後の傷口からの出血を助長する可能性があります。

血液を固まりにくくする薬(抗血栓薬)を内服している方で、検査のために服用を中止した場合の内服再開の時期については、治療をした医師の指示に従ってください。

出血

大腸ポリープを切除後10日間は、排便時に便を確認するようにしましょう。便に付着する程度の少量の血液は問題ありませんが、便器が真っ赤になるような大量の出血がみられた場合は、すみやかに治療をした医師に連絡しましょう。出血量が多い場合には、再度大腸内視鏡検査を行い出血部分の止血治療を行う必要があります。


大腸カメラの費用

1割負担 3割負担
大腸カメラのみ 約2,500円 約7,500円
大腸カメラ+病理組織検査 約4,000円 約11,000円
日帰り大腸ポリープ切除 約8,000~10,000円 約24,000~30,000円