切らずに治す、ジオン注射とは?
ジオン注射(ALTA療法)とは、いぼ痔(内痔核)の治療に用いられる治療法で、治療薬を注射によって患部に注射する治療法です。ジオン注射は手術と同程度の治療効果があり、従来は手術でしか治療できなかったいぼ痔を、注射によって治療できるようになりました。注射のみの治療であるため、日帰りで治療することができ、切開にともなう痛みもありません。
ジオン注射の成分
ジオン注射の成分は、硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸を主成分としています。
硫酸アルミニウムカリウム
硫酸アルミニウムカリウムは、痔核に炎症と線維化を起こし、痔核を小さくすることで、脱出や出血を抑制します。
タンニン酸
タンニン酸は、硫酸アルミニウムカリウムの効果を適度に抑制することで、組織障害を防ぎます。
ジオン注射に向いている人
ジオン注射は、いぼ痔の治療に効果的で、座薬や軟膏では治らない人、排便時に良く出血する人、排便時に脱肛する人に向いています。
ジオン注射のメリット
- 以前は手術が必要だった内痔核の治療ができる
- 痛みや出血がほとんどない
- 抗凝固薬や抗血栓薬を服用中の方も、休薬することなく治療ができる
- 手術治療と併用できる
- 副作用が少ない
- 健康保険の適用である
- 日帰りで治療ができる
ジオン注射のデメリット
- 進行した内痔核には効果がでにくい
- 発熱や肛門の違和感、排便がしにくいなどの副作用があらわれることがある
- 肛門管内痔核には治療効果がない
- 外痔核には使用できない
ジオン注射後は…?
出血が見られなくなる
ジオン注射は効果が出るのが早く、投与後すぐに痔核へ流れ込む血液の量が減り、翌日には出血が止まります。
脱出や肛門周辺の腫れがなくなる
ジオン注射を投与すると、1週間程度ではれていた痔核は小さくなり、周辺の組織も元の位置に戻り、痔核の脱出がみられなくなります。
ジオン注射後の生活
入浴について
ジオン注射を投与した当日の入浴はできませんが、シャワーを浴びることはできます。また、翌日からは普段通り入浴できます。
食事について
アルコール類は完治するまで飲んではいけません。わさびや胡椒、唐辛子などの香辛料やコーヒーなどの刺激物は3週間程度控えるようにしてください。また脂肪分の多い食べ物もしばらくは控えてください。
日常生活について
仕事復帰は治療翌日から可能ですが、2週間程度は重いものを持つなど、お尻に力がかかるような運動は避けてください。自動車やオートバイ、自転車の運転は1週間程度避けてください。椅子に座るときは、深く座ることを心がけ、1時間に1回程度立ち上がり、歩くなど、長時間椅子に座り続けることがないようにしましょう。